全く違う!スウェーデンの教育
今回は教育について書いてみようと思います。
日本で育つと教育を当たり前のものだと思い込み、それ自体について考えることが少ないような気がします。
しかし、よくよく外を見渡すと教育の捉えられ方とかシステムって国によって全然違うので面白い。
さて、タイトルにも(1)とあるように、今回はまずスウェーデンの教育の基本的な部分。
一つの投稿では収まらないと思われるこちらの教育の面白い事実達や私が今までに聞いてきたことなどを、数回に分けて色々と書いていきたいと思っています。
さて本題。
まず、スウェーデンの教育を語る時に欠かせないのはやはりスウェーデンが高福祉国家であること。
国は一人一人の国民を独立した個人として見ます。(例えば、夫に扶養されている妻、母に保護されている子ども、というようなレベルに差をつける考え方はしない。国のシステムの理論上は、子どもであろうがなんであろうが他者から切り離された一個人。)
ということなので、とある一人の大人のことも、とある一人の子どものことも、とある一人の高齢者のことも、(理論上は)等しく国が面倒をみるということです。
上の例に置き換えたら、夫が妻に対して負っている責任や母が子に対して負っている責任はどちらもこの国では夫や母に代わって国が責任を負うということです。
(↑これ、教育に焦点が当たっているわけではないのですが、ある家族の例を使ってわかりやすくスウェーデンのシステムが説明されていて面白い!国の基本的な考え方を把握できるのでおススメです。)
ここで教育の話しに戻します。
全ての子どもには、教育を受ける権利があります。
そしてその権利を保障するのは、そう、一個人としてそれぞれの子どもに対して責任を負っている国。
教育を子どもに授ける義務は、両親ではなく国にあるのです。
(実際の感情的な部分は度外視して、理論/システム上はそうなっているという話しですよ!)
ということを考慮して、実際にどうなっているかを見てみます。
●Preschool:幼稚園(1-6) ー無料
●Compulsory school:義務教育学校(7-15) ー無料
●Gymnaskolan:高等学校 (16-18) ー無料
●University:大学 ー無料
Photo: Lena Granefelt/
imagebank.sweden.se
(Sweden.seからお借りしました。)
無料、無料、無料…
要するに全て無料です。
大学まで無料です?!
給食費、ヘルスケア、教材も勿論無料。
そしてこれに追い打ちをかけるように驚かせてくるのは、学校に通っているというステータスだと手当てが出るという事実…
単位をしっかりとれば国から学業のための補助金がもらえるのです。
教育ってお金がかかるものかと思いきや…
むしろその上に手当てまで出る…?!
そして、もう一つ気がついて欲しいのは、Pre schoolが一歳からとなっていること。
こちらでは男性女性ともにフェアに働いていることが普通。しかし、1歳から無料で引き受けてくれる場所があるなら子どもの環境が家庭の状態に左右されてしまうといった不公平が生まれることがありません。(とはいえペアレンタルリーブの条件もとても良いのですが…)
一歳の子どもですら、他者に依存しなくても個人として独立できるようにシステムがデザインされているんですね。
ちなみに、この単線ルート以外にも様々な教育機関があります。
例えば、municipal school(自治体が運営する学校)やfolkeskolan(直訳だと、「国民の学校」)など。
前者は自治体が運営する万人を対象に教育をオファーする場所。無料です。
後者は学校ごとにテーマが異なるので、自分の興味やキャリアに合わせて選んでいきます。写真、テキスタイル、スポーツ、アート、何から何まであるので、若者が高校の代わりに通ったり、大人が趣味やキャリアのために通ったり。そんな学校です。はい、これも無料です。
どれだけ学校があるんだよ…といった感じです。
実は、教育は子どもだけのものとは捉えられておらず、ある一個人が人生の節目節目で新しい知識やスキルを得る為に生涯に渡って必要となるものとして捉えられています。
いわゆる、「生涯教育」です。
だからこんなに教育の機会に溢れかえっていますね。
というように、全ての国民は他者に依存しなくても教育を受けられるように保障されているのです。
本当は、
・じゃあそれを実際にスウェーデンの人々はどう活用しているのか?どのようにみているのか?
・学校の選び方、入試のやり方はどうなってるんだ?
というところまで書こうと思ったのですが、多すぎになってしまうので敢えて次回以降ににとっておこうと思います。
それではまたよろしくです!
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