日本とスウェーデンの似ているところ(2)
今回の内容も、前回の記事に続いて日本とスウェーデンの似ているところについて。
でも今度フォーカスするのは人ではありません。
何かというと、、
デザイン。
北欧が建築や家具、インテリアや食器のデザインで有名なのは日本でもよく知られていること。
北欧のデザインが魅力的だったのも、私がスウェーデンに来ようと思った理由の一つだったと思う。
そんなわけで思えば、私はこちらに来てから暇を見つけてはスウェーデンや北欧のインテリアショップを見て廻っている気がする。
色々見てきたけれど、家具を見ていても小さな小物を見ていても、色にしても形にしてもどこか他の国のデザインとは異なってユニークなデザインが施されていることに気がつく。
あでも、ユニークという言葉だと少し抽象的すぎて語弊を生む。
奇抜な色遣いや突飛性といった意味でのユニークネスではなく、むしろどこか心に寄り添うような印象を与える色合いや、日常生活に馴染むような形をしているところに存在するユニークネス。
だから、そんな北欧デザインを見ていると新しいものに出会うようでとても楽しい。
(だから飽きずにお店巡りをしてしまうのです…(笑))
でも、冷静になって今言ったことを振り返ってみると、「日常に馴染むデザイン」と「それに対して目新く感じること」はなんだか矛盾しているようにも思える。
もしかしたら、北欧デザインの色や形そのものではなく、「戦略的にとことん、!日常に馴染むデザインが追求されている」ところに(少なくとも)私は目新しさを感じていると言うのが正しいのかも。
しかし…
ここからが本題。
(このままではタイトルと矛盾して、日本とスウェーデンのデザインがものすごくかけ離れているような結論になってしまうし(笑))
色々なお店を廻っているうちに、私はあることに気がついた。
それは、一見目新しく見えた北欧のデザインは日本の伝統的なデザインとかなり親和性が高いこと。
ある時、私が一番気に入っているインテリアショップにて食器を見ていたところ、あるカップのデザインに私は心を打たれた。
私はそれがとても欲しくなって、手にとって近くで見てみた。
で、そこで私が見たのはスウェーデン語ではない。
ん、、? なんとカップの底に書いてあるのは日本語じゃないか!
そう、それは紛れもないMade in Japanの焼き物。恐らくそのインテリアショップが直々に日本から輸入しているらしい商品だった。
それから気にして店内を見て歩いてみると、そのカップだけでなくてお店の中の色々なところに日本からの商品が置かれていることに気がつく。
日本の製品があまりにもオリジナルブランドの商品に馴染んでいるから私はどうやらそれまで気がつかなかったよう。
でも確かに良くみたら馴染みのある柄や形だ…
私は、日本の伝統的なデザインの柄や形がスウェーデンのものと親和性が高いことにも、それにスウェーデンのインテリアショップがいち早く気が付いて自分のブランドに積極的に取り入れていることにも驚いた。
また、先日スウェーデンの有名なデパートに行った際にも北欧系ブランドばかりが並ぶインテリアコーナーで無印良品が当然のように一角を占拠していたことにも驚かされた。
でも確かに、狭くない一角を占拠しているにも関わらず違和感を全く感じない…
・・・
こんな風にして、私は徐々にスウェーデンのデザインと日本のデザインは何か共通するものがあるんじゃないかと思うようになった。
具体的には、
・機能性
・シンプリシティ
・自然との調和
あたりでほんわかと共通する部分があるんじゃないかと。
そして、先ほど私が冒頭でスウェーデンのデザインに対して「目新しい」「ワクワクする」と表現した感情が、
実は日本の外にも日本に近いプロセスやメンタリティで作られたデザインがあるということに対する「驚き」とか「薄っすらとした郷愁」だったんじゃないかということにも気がつく。
もちろん色遣いや柄はそれぞれの全く異なる自然環境や風土からインスピレーションを受けているから、確かに若干の表面的な違いはある。
「日本のデザイン」「北欧のデザイン」と括って話すのはステレオタイプに陥ってしまう可能性があるからあまり良くないかもしれないし、全部が全部似ている訳ではないのも確か。
でも、とある学生がスウェーデンの街を歩肌で感じたことをちょっとだけ深掘りしてみたものだと思って読んでくれたら本望です。
ということで、似ているところその2、完!
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